赤い標的 The Breakup

原題:The Breakup
製作年:1998
監督:ポール・マーカス
脚本:アンネ・アマンダ
キャスト:ブリジット・フォンダ,キーファー・サザーランド

内容:主婦のジミー(ブリジット)は、普段はとても優しいが嫉妬深い夫の暴力に耐えていた。ある日、夫の浮気を知っていたジミーは、暴力の最中にその浮気の証拠を突きつけた。怒った夫はジミーを階段から突き落とし、ジミーはそのまま意識を無くしたのである。気がついた時には病院に運ばれており、そこにロス市警の刑事ジョン(キーファー)とサムがやって来た。ジョンは、そのケガは夫に暴力を振るわれたのでは、と聞いたが、ジミーはそれを否定した。それでもジョンはジミーの様子が気にかかり、名刺を渡しておく。その後、ジミーの事を調べていたジョンのもとにジミーの夫の事故死の情報が入る。その死に不信な点が見つかり、ジョン達はジミーを重要参考人として留置しようとした。しかしジミーはジョン達を振りきって逃げてしまった。逃げたジミーがまず妹の所へ行くと、妹は殺されていた。そして夫の浮気の相手が妹だった事も知り、ジミーは夫は死んではおらず、どこかで生きているのではないか、と感じ始めた。そして夫の行方を探し始めたのである。

感想:系統的には「連鎖犯罪/逃げられない女」と一緒です。内容は2時間サスペンスドラマ、キーファーはやっぱりカリヤ警部でした!
夫に殺されかけた主婦がその影に怯えつつ、それでも最後には自分からケリを着ける為に立ち向かうという「逃げられない女」とパターンは同じです。しかし「逃げられない女」の女の子は最初から強かったのでスカッとした気分で見られたのですが、ちっちゃくて細く女らしいブリジット・フォンダが泣きそうな顔で一生懸命がんばっているのを見ると何か放って置けない感じがして「がんばれー、負けるなー」と思わず応援したくなりました。きっとジョンもそんな気分だったんでしょうね。ストーリーも意外性などはまったくなく、いろいろ「こいつは怪しいんじゃないか???」とか疑って見ましたが、疑い損でした。絶対ジョンの相棒サムは何かやらかすと思ったんだけどなぁ・・・。

 キーファー演じるのはこの事件を担当する刑事ですが、役的にはクールなんだけどやさしい普通の刑事です。最初にこの作品のあらすじを見た時、絶対暴力夫の役だと思ったのですが・・・。いつも性格の強いキャラを好んで演じてるのを見ているとこの役も「一見普通に見えてるが、何かあるんじゃなかろうか?」と勘ぐったりしましたが、やっぱり最後まで普通の刑事でした。しかしながら、ジミーを見守る眼差しや、常に冷静に判断を下す大人なクールさはツボに来ます。見た目ももちろん素敵(特に後ろ姿が)なのですが、この作品では体からにじみ出て来る”やさしいオーラ”が感じられ、本当にキーファーにはこういうやさしさがあるんじゃないか、と思えるぐらい自然なんですよね。うーん、ジミーがうらやましい!
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