中倉山 1540mh   1999/11/23 曇り時々晴れ

”足尾の秘峰”と呼ばれ、今までルートが判らなかったが、最近になりインターネット上から情報を得ることが出来た。情報によると足尾第2ダムの所に有る砂防ダムの脇の稜線を強引に登るとあったので、このルートに決定した

六郎地山以来となる久々の足尾街道を走り、荒れた林道を通り足尾第2ダムに到着。ちょうど砂防ダムの工事をしていたので、取り付き点が直ぐ解った。日本のグランドキャニオンと呼ばれるこの風景は他ではないだろう。最初から崩れやすい砂混じりの急登だ。これから登る稜線もはっきり飛び込んでくる。しかし山腹には全く草木がない上に岩場はもろく、すぐ崩れるので足場が最悪だ。左右が切れ立った馬ノ背のような稜線を進む。途中ロープの張ってある場所は今日最大の難所だ。ロープがなければ、はいつくばって進むしかないのだから。悪戦苦闘し約1時間してやっと草木がある場所についた。

 下から見上げるととても草木の無い山に見えるが結構はえている。しかし道は無く腕の力で強引に登る。しばらく進むとガレ場に出た。木の有るところの取り付きが、下りで判るように紙テープで目印をする。勾配がやや緩み熊笹が増えてきて山頂が近いことをうかがわせる。まもなく1500mの三角点に到着。ここからは一刀速で念願の中倉山山頂についた。

 仁田元沢と松木沢の間にそそりたっている山なので展望は抜群である。見慣れた男体山はここから見ると少し不恰好である。白根山は冬景色になり、皇海山もピラミダルな山容をこれから登る沢入山の背後に浮かんでいる。遠く富士山も望まれた。一番高いところに恒例の標識を立てしばし熊笹のカーペットの稜線を満喫した。登山口からはとても想像できない気持ちの良いところだ。しかし下を見ると松木沢ジャンダルムというロッククライミングのメッカだけありすごい迫力で引きずり込まれそうである。

 次に目指す沢入山はここから3つのピークを越え約1時間で到着するはずだ。天気もいいので雨の心配はないが、日没の時間との勝負になりそうである。途中両側が切れ立った崖あり、崩れそうな岩場を何カ所か通過して沢入山に到着。ごく普通の山頂である。さすがに標識の類は一切無い。向こうに見える黒いピークが1821mのオロ山である。このまま進むと庚申山までいってしまう。持ってきた小さな標識で記念撮影をし、早々と下山にかかる。なにせこの時期は5時になったら暗くなってしまうからだ。足元が暗くなったらおそらく下れないだろう。来た道を忠実に戻る。中倉山を過ぎて問題は樹林帯である。見ればジグザグの道がついていたが、何度か迷いそうになったがテープに助けられ、怖い崩れそうな(実際何度か崩れた。)稜線に到着。ここからは足元に注意し、転落しないように進む。重心を右側にかけ左側を見ないように下った。砂防ダムの工事現場が真下にあるところでは特に気を使い石を落とさないようにそろりそろりと中倉山から約1時間30分で車を置いた場所に戻ってこられた。太陽は稜線に隠れたがまだ明るかった。あと30分遅かったら暗くなっていただろう。 中倉山は登山口から山頂まで非常に変化のある山だった。登ってみて大変満足度の高い久々の3つ星の山だった。あと残るは赤倉山だ。 

kkk コースタイム kkk

足尾第2ダム9:33〜三角点11:42〜中倉山11:49 12:26〜沢入山13:28 13:44〜中倉山14:24 14:35〜足尾第2ダム16:05