境界確定測量及び境界杭の管理について
☆筆界の確定
不動産登記法第16条第2項に定められている表題部に土地の範囲は不動産登記法第17条(第24条3)、第79条1項、及び不動産登記法施行令第1条により、所有権等とは全く独立して、法的には公に決まっております(地籍調査作業規定準則第30条・筆界の調査)。
この地番の範囲を区切る線を筆界線と申します。ところが現地に参りますと、何処が筆界線であるかわからない場合が多く有り、正確な筆界線を示す標識が全ての筆界点に存在しないので、私共は道路・水路等公共用地で囲まれた1街区又は1団の土地を測量して、法務局備付けの地図・地積測量図・市町村役場や組合等にある耕地整理・土地改良・区画整理の確定測量図・地元の習慣等筆界線を復元する為に必要な資料及び私共の34年以上の経験等を総合的に考え併せて対象土地を精密に復元します。
☆実測面積と登記簿記載地積
実測面積は土地登記簿記載地積と必ずしも一致しません。その為、不動産登記事務取扱手続準則第25条4項には公差が定められております。従って、この公差を越える場合には、国民の義務として土地地積更正登記をします(不動産登記法第81条5)。詳しくはお尋ね下さい。
☆境界杭の測設
精密に復元された筆界点には、隣接の利害関係人の立会いを求めてコンクリート杭・石杭・アルミプレート・鋳鉄杭・鋼鉄鋲等の永久境界標識をコンクリートの根固めをして正確に測設してあります。
☆境界杭の管理
筆界杭は以上のように正確に設置されておりますので、境界杭に足をのせたり、足で蹴ったりはしないで下さい。
また、境界杭付近で掘削工事・建築工事等を実施される場合には、建設機械や掘削器具等が境界杭に触れないように細心の注意を払って管理して下さい。
このような杭管理がなされない場合には測量図記載の数値から変動する恐れがあります。
万一、この様な隣接土地の土木建築工事等が予想される場合や工事等により境界杭が破損又は亡失した時にはなるべく早急に当方へ御連絡下さい。御相談に応じます。
☆境界標破損の罪
境界標識を破損、移動若しくはその他の方法で境界を確認出来なくした者は、刑法第262条2の規定により、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金の刑に処せられます。
☆関連法令等
★不動産登記法第16条2、第17条、第24条3、第78条、第79条、第81条5・不動産登記法施行令第1条、第2条・不動産登記事務取扱手続準則第25条、第116条・民法第223条、第224条 ☆地籍調査作業規定準則第30条
★民法第223条、第224条外
★刑法第262条2外
★名古屋法務局不動産登記事務取扱規定第4条、第5条、第10条外
★日本土地家屋調査士会連合会『調査・測量実施規定』第2章、第4章外
土地家屋調査士・測量士 近 藤 登
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