ノートPCカーナビ化計画


そもそもの事の起こりは、Garmin etrex Vista-Jを購入したことに始まる。
車、バイク、電車…。移動していて不便なのは正確な現在位置が分からないことである。迷子になるのは現在位置を見失った時だしね…。ま、普通は地図さえあれば何とかなるものだけど、その地図のscaleが問題…。

持ち運ぶ地図の大きさ・厚さに制約をかけると縮尺は自ずと厳しくなる。電子地図ならその辺はクリアできるが、PCの持ち運びは電車、バイクでは辛い…。カーナビだと車専用になってしまうし、20数万かけるのもね…。
てな訳で、地図表示ができるHandyGPSを購入した訳だ。

が、GPS Unitが手にはいると俄然、気になってきたのは、現在ではスペック不足の為、遊んでいるA5ノートPC。都合良く手元にNavin'Youもある。

ふむ、車の場合はPC積んでも何とかなるしな。地図の表示面積が大きいのは、なんと言っても有利だし。PCの改造込みで2万もあれば出来そうだし、やってみるか。と、結構、安直かつなし崩し的にスタートしたNotePCカーナビ化計画である。

1.PCの準備
問題のPCは基本スペックが低い為、ちょっくら改造としゃれ込む。PCの改造については別頁に譲ることにして、改造後のスペックは、OS:Win2000とWin98SEのデュアルブート、CPU:MMX233Mz、HDD:40GB、メモリ:160MBとなった。266Mzへのクロックアップは、発熱量を考え断念したが、それでもこれで、そこそこには動くだろ…。

2.実験君(第一段階)
今回使うNavi softはSonyのNavin'You5.5DVD対応版である。今のところ、PCカーナビを実現するのにこれ以上のsoftは発売されていない。最も、こいつも既に生産中止だ…。

で、このNavin'You、専用GPS Unit&専用地図しか使えないという、とても戯けた仕様になっている。フンッ!
が、有り難いことに、私よりも遙か先を行く先人達が、この課題を解決する方法を編み出してくれている。これは、早速実験せねば…。

まずはNavin'YouのInstallから。OSの安定性を考慮し、まずはWin2000側に導入してみる。マシンが低スペックなので、常駐ソフトは出来る限り減らす方向で。アドレスキャッチャーは「スタートアップに登録しない」っと。
それ以外は流れのままにサクサクッとInstall終了。ここまでは問題なし。

次は、地図である。くどいようだが、何分マシンが低スペックなので、極力、常駐ソフトは減らしたい。が、A5 MobileNoteなのでDrive類は何も無し、必然的に地図はHDDに積み込む事となる。まぁ、その為にHDDをでかくしたのだが。と言うことで、DaemonTool位は入れないと駄目か…。外付けDriveよりはシークタイムも稼げるだろう…きっと。
で、DaemonToolをInstall、地図は専用地図(CD版)を某ソフトでリッピングして…、そのままマウントしてしまおう。

下地が整ったところで、GPSをPCに繋ぐ作業に入る。このPCにはSerialPortも無いのでUSB-Serial変換ケーブルをかましてUSBポートに接続。認識が終了すると…、ををっ、MousePointerがはね回っている!
これは情報通り、SerialMouseとして誤認識している所為だな。まずはGPSの電源を切ってMousePointerの動きを止め、デバイスマネージャで誤認識されているSerialMouseを使用不可に設定っと。
再度、GPSの電源を投入、異常なし。繋ぎ直ししても問題は発生しない。よしっ。

次はGPSをNavin'Youに認識させる作業。これにはNyLink.dllが必要だ。OSがWin2000だからPatch作業が必要だな。これは母艦の方で作業して、こちらに持ってこよう。
説明通りに作業&設定をして(ついでにNavin'Youの『起動時にアドレスキャッチャーを起動する』のチェックもはずして軽くして)、Navin'Youの『GPS』ボタンを押すと…、現在位置が表示されたぞ!重畳、重畳。

と、ここまでで最小構成のPCカーナビが完成した訳だが、折角だから実験を続けよう。

このままでは天空図が表示されないので、GPS Player32を試そう。Installして説明通りに設定すると、すんなりと動く。衛星表示が、二つ、三つ…。良い感じである。あ、でもやっぱり常駐ソフトが増えるとルート検索・ガイドの時に辛いな。ちょっと動きが重くなった感じがする…。GPS Player32自体は、そんなに重いソフトではないと思うけれど、何せマシンスペックが低いので、Navin'Youだけでも青息吐息の状態だから…。と言うことで、GPS Player32の導入は中止することに…。Uninstall…実験終了。

3.ちょっと怪しい実験君(第二段階)
暫くはこの状態で使っていたが、ふと以前、友人から譲ってもらったナビ研地図CDがあったことを思い出す。(そいつはDVDナビに買い換えたのだ。)
さらに、プリインストール版のNavin'You3.0もある。うむ、実験再開…。

デュアルブートのWin98SE側にWin2000に入れたものと同じNavin'YouをInstallしても利用規約には違反しないだろ、1台のマシンにしかInstallしない訳だし、同時に起動することも無いんだから…。で、さっくりとInstall終了。さらにNavin'You3.0がプリインストールされているマシンからCDRHAPIX.vxdを採取し放り込む。う〜ん、読めますねぇ、ナビ研CD。素晴らしい!
OSとしては不安定なWin98の方が最新地図に対応できるというのは、ちょっと不満だけど…、ま、OKですかね。

さらに、Win2000でもちょこちょこっと弄るとナビ研地図が…。と言うネタを見つけたので、実験は続く…。

うむ、本体プログラムに差分処理となると利用規約に引っかかるかな…。ま、生産中止だし、サポート終了だし、おまけに取り敢えず実験だし…、やって見ましょう、hack。
まずは、問題のファイルを別の場所にコピーして、元に戻せる態勢は整えておく。これは基本。で、早速、見つけた情報を元にバイナリエディタで所定のアドレスを調べてみると、バージョンが違うせいか内容が違っている…。まぁ〜ね、そんなにすんなり行くとは思ってなかったし。hackだからね、それっぽい所を探して差分処理してみよう。
ちょこっと検索すると、アドレスは違っているけれど、それっぽい所が出てきました。ん、多分、これだな。と言うことで、そっくり差分処理しておきます。

もちろん、差分処理を行っても相変わらずWin2000では直接ナビ研CDは読めないままだ。けれど、Win98orXPで『おでかけパック』にしたものが読めるらしい。で、Win2000側とWin98側の両方に差分処理したファイルを放り込んで…、まずはWin98で起動、ナビ研CDの『おでかけパック』化を試みる。ん、出来るねぇ〜。何故だ?
今度はWin2000で起動、ちょこっと作業して『おでかけパック』を呼んで見ると…、読めますねぇ。不思議だ。
どうやら正しい差分処理だったようだ。試しに、暫く使ってみたが問題は生じなかった。よしっ。これで最新地図への対応が可能になったな。
手持ちのナビ研地図と専用地図は作成年次が余り変わらないので、今すぐこの差分処理済ファイルが必要な訳ではない。取り敢えず、この実験は終了にして元の状態に復旧する事にしよう。…実験終了。

(おまけ編)
WinXPでもCD版にダウングレードするとナビ研地図CDが読める、と言うので、取り敢えず母艦の方で実験だけはして見ました。確かに読めましたが…、MobileNoteのスペックから見てOSをXPにすること自体がとても無理なので、速攻で断念。母艦をナビ化することは出来ないので、お掃除して実験終了としました。

4.かなり怪しい実験君(第三段階)
そして時は流れて…、Win2000をSP4にするとアドレスキャッチャーが動作不良を起こすとの情報をキャッチ。既にSP4にUPしていたが、重くなると言う理由でアドレスキャッチャーを全く使っていなかったので、全然気付かなかった…。

で、また実験再開…。
まずは情報の真偽を確かめる為、アドレスキャッチャーを起動してみる。ありゃりゃ…、OS巻き込んで落ちちまいやんの…。最悪。
聞いた話では、アドレスキャッチャーとOSがバッティングする部分がある為らしい。どうせアドレスキャッチャーは使わないんだから放置しても良いのだけれど…、こんな状態のソフトが組み込まれているのも気持ちが悪い。
そう言えば、WinXPもSP2にするとアドレスキャッチャーが落ちると言う情報があったな。ついでに対策も…。ロボワードのPatchプログラムをごにょごにょすると直るらしいって。
所詮Microsoft、Win2000もXPも大して違わないだろう。と言う勝手な憶測の元にXP用のPatchで遊んでみたが、駄目です、動きません。ちょっと浅はかでした…。
改めてテクノクラフトのHPに行ってみると、おやまぁ、ロボワードのSP4対策Patchが出ているではないですか。じゃ、これを使ってごにょごにょすれば良いかな?と考えて、やってみました、実験君。あらまぁ、動きますよ、アドレスキャッチャー。どうせ使わないんだけど。

そう、実はこの問題、どうせ使わないんだからアドレスキャッチャーの本体プログラムをRenameして使用不可にしてしまうのが一番簡単だったのですが…、挙動不審の使えないプログラムがディスクスペースを占有していることが気に入らないと言うただ一点のみのために行ってみた実験でした。

5.「こんなんじゃ分かんねぇよ」と言うあなたに…。
「今回の実験を追試・検証してみたいけど、こんな貧弱な内容じゃ分からね〜じゃん…」と思った方に。あなたはBinaryEditorとかArchiver等を使いこなせますか?自己責任という言葉の意味を理解できていますか?ここで得られる情報を信用出来ますか?実験の結果を真摯に受け止められますか?
全てYesとおっしゃるのなら…、この先の扉を開けて下さい。もう少し詳しい情報が得られる出しょう。情報の使い方はあなた次第。くれぐれも自己責任で行って下さい。





扉よ、扉、ひらけゴマ!