波止の養殖隊
ハネ研エレジー
再会
船長や周りの人々の嘲笑や、哀れみの目にさらされ、耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、悶々とした日々をこの3ヶ月間過ごしてきました。え、「のっけから何の話や?」と聞いてもらえるんでっか。ハネがおりまへん、どこを探しても!
あちらの波止で「ハネを見かけませんでしたか?」「いいえ!」「セイゴなら入れ食いでおるよ」「いえ、ハネを探しているんです」「ハネを知りませんか?」「6月くらいなら知っちゃいるが、7月以降はとんと見かけないね!ところであんた!ハネのなんなのさ?」
ここで音楽【ジャジャジャ・ジャジャジャジャーン】 港の養殖隊ハネ研――――!
と、こんな唄も歌いたくなる状態です。
でも10月の声を聞き、秋が深まるにつれ、ちらほらとハネの情報が入るようになり、その釣り場へ駆けつけるのですがセイゴ達しかおりません。「兄さん、姉さん、はたまた親御さんは何処へ行かれたの?」と尋ねるのですが、「あたち達、何〜んも知らない」とノーコメント。
こんな状態が続くある日、嫌な事を連想してしまいました。ひょっとするとハネは全滅したのではないか?いや、どっかへ行ってしまって、もう岸和田へは帰って来ないのでは?僕達は、ハネのいない所でずっとエビを撒き続けるのか?なんて。
しかしよく考えると、セイゴはおるのですから親はおるはずです。そんな道理も否定したくなるほど心は乱れています。
今月(10月)例会で釣れなんだら、どこかへ移住しようかと真剣に考えていました。
ハネ探し 故里すてて どこへ行く?
腹をくくった10月13日の例会日、出会う釣友に尋ね回ります。「どっかでハネを見かけませんでした?」「あっ見たぜ!昨日沖の北の内向きで50p台が釣れてるの見かけた!」有難う有難う!
さあー、みんなに内緒で一人、沖の北へと出かけます。アジ釣りの人達に左右を挟まれていますが、気にしません。際はアジ釣りの人に任せ、沖目狙いにしぼります。
竿2本先を4.5ヒロで始めます。潮は流れず、沖から手前へ差し込んできます。やり始めてから30分位たった頃、手前竿1本位まで流されてきたウキが、バシンという感じで入りました。
ゆっくり合わせます。よし、ホンマもんや!合わせたとたんの引き方の嬉しかった事!約50pのハネでした。次も40オーバー、よしよし、ええぞええぞ。後は30p台に戻ってしまいましたが、つごう6匹、意気揚揚と帰って来ますと、上には上がいるもので橋本君もフェンス内向きの沖目狙いで60p近いのを釣っていました。
例会で釣って帰ったのはこの2人だけで、1位2位と分け合いましたが、これでハネ研ダービーはますます面白くなってきました。
ハネ研ダービー残すは後1回だけです。
1位 右手氏 49点
2位 橋本氏 42点
3位 信濃氏 41点
4位 今中氏 40点
さて、栄冠は誰の手に!
凝りもなく 通う波止にも ハネ戻る
久し振り 想い焦がれた ハネのひき
再会を 果たして次は 大物を
心酔