ドル足掻記外伝・『だんぢょんえすけーぱー』

━えぴろーぐ━

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ボクは今、バビリム王宮の誇る大浴場（源泉１００％の天然温泉だよ）の湯船の中に浸かっていた。
どうやらお湯の中で気持ち良くなってついウトウトとしてしまったようだ。
ナンだかヘンな夢を見ていたような気がする。何故だか素ッ裸でダンジョンを彷徨う様な感じの夢を・・・
・・・まあ多分、今入浴中のボクが全裸なワケだからその辺りで夢の中で現実が交錯してたんだと思う。やれやれ・・・・・・、と照れ隠しに頭を掻こうとしたら妙な感触がした。

　　ギルス「・・・・・・スペルカード？」

ボクの頭のサークレットに一枚のスペルカードが挟まっていた。取り出してみると、それは一冊の本の絵が描かれたカードであった。そしてそのカードの名前は・・・

　　『マナ２のよのゆめ』。

確か、コレはボクがカリアから借りた（借りさせられた）本だ。
カードの名前に漢字は使えないけど、正しくは『マナ２（ツー）の世の夢』って書名で、ナンでも異世界の結婚式が夢の世界でどーたら・・・とか云う恋愛小説のベストセラーだとかで。
早めに読んで感想云わないとカリアに怒られそうだったからお風呂で読もうとか思ってカードにして持ち込んだンだったっけか。
でも確か、ボクの見た妙な夢の中でも、コレと同じカードが出てきたような気がする。
コレも夢の中での現実の交錯？　それとも何か意味が有ったのか！？
それに、目覚める直前に何か妙な声を聞いたような気もするし・・・うーーむ・・・・・・

　　？？？「ぎるすーーーぅ？」

あ、今も妙な声がした。

　　カリア「ギルスー？　まだお風呂に入ってるのーー！？　今スイカを切ったところなのよ、一緒に食べましょうよーーーーっ！」

・・・ああ、カリアがボクを呼ぶ声だったのか。やっぱり夏の風物詩はスイカだよねェ。
・・・・・・夏。「真夏の夜の夢」か・・・

ボクは取り留めのない事を考えながら、湯船から立ち上がって、浴場を後にした。

━完━

こんぐらちゅれいしょん！！
最後までお付き合い頂いて有難う御座いました！！