ドル足掻記外伝・『だんぢょんえすけーぱー』
カードを展開して 《ふしぎなふえ》 を実体化させる・・・が、それはコレまで見た事も無い一風変わった笛だった。
確か異国のタケとか云う植物で作った縦笛・・・・・・『普化尺八(ふけしゃくはち)』とか云うんだっけか?
(↑普通に「尺八」でイイのに何故こんな厳密な呼称を知ってるのだろう?)
ま、それは兎も角としてナンの役に立つかは判らないけど、取り敢えず吹いてみよう!
ぷすーーーー・・・
全然音が出ない。どーもなんかコツが要るみたいだ。オーグルは怪訝な表情でこちらを覗っている。ボクは構わずに更に思いっきり笛を吹こうとする。
「ぷぴっ」
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
ゴメンこれは笛の音じゃないの。て云うかボク個人の笛の音と云うかナンと云うか・・・・・・、
あーそーだよリキんだ拍子にオナラしちゃったんだようわあああっ!?
オーグル「ブハハハハハハッ!! ニンゲン、バカ、ダサダサ、アリエナーイ・・・」
お、オーグルの野郎、腹を抱えてゲラゲラ笑ってやがる・・・
オーグル「ニンゲン、オマケニフル△ン、ゼッテーアリエネー、グハハハハハハハハハ・・・」
うわーーーボク自身も忘れようとしていた事実に触れられた!! わああああああん!!!
ボクはいたたまれなくなって思わず駆け出してしまった。でもオーグルはゲラゲラ笑ったままで追いかけようとはしてこない。
・・・・・・
・・・・・・・・・
結果的にボクはこの場を無事(?)に切り抜けられたのだが、なんか人間の尊厳を失ってしまったような気がするよ・・・
怒りのあまりボクは尺八を叩き折ってしまい、《ふしぎのふえ》 を失ってしまった事を付け加えておいて、さてボクはどっちに逃げた?