0018. 拉致問題を現実的に解決するために
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2025年6月6日掲載
一体どうすれば、拉致問題は前に進むのか?
私の両親は、ともに80代で他界した。横田早紀江さんは89歳である。失礼を承知で申し上げれば、いつ亡くなってもおかしくないご高齢である。横田滋さん、有本明弘さん、…。政府はずっと「見殺し」である。石破総理には、ぜひ早紀江さんを自分の母親、めぐみさんの弟さんの横田拓也さんたちを自分自身だと思ってほしい。また、できないことをやれと言っているのではない。目の前のハードルを一つ一つ乗り越えてゴールまでたどりつけと言っているのである。
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現実に、この拉致問題を前に進めた、小泉純一郎総理のときのことを詳細に分析し、そこから得られる知見を活かすという取り組みを、政府はしているのか。成功例がそこにあるではないか。
裏でどのような動きがあったか、私には知る由もないが、平成14年(西暦2002年)9月、小泉総理が、突如「北朝鮮を訪問する」というニュースを見たときにはびっくりした。続いて約1か月後、信じられないようなうれしいニュースが飛び込んできた。被害者5人が帰ってきた、というのだ。
また、キムジョンイル(金正日)総書記が、拉致問題を認め、謝罪した。ここから分かることは?
令和7年(西暦2025年)の現在、北朝鮮の首脳が、拉致問題を認め、そのことを謝罪するなど、考えられない事である。しかし、小泉総理はピョンヤン(平壌)に乗り込んだ。結果、先方は問題の存在を認め、謝罪までしたのである。つまり、相手のふところに飛び込み、笑顔で握手を求めながら、のど元に匕首(あいくち)を突き付ける。相手も生身の人間だったという事だ、たちまち問題の認定、謝罪に到った。
小泉総理は、かつて「変人」と揶揄(やゆ)された。しかし、この田中真紀子氏の例えは、誠に核心を捉えていたと思う。「常人にはまねのできない芸当をこなす人」、常人の目には「変人」に映る、ということである。石破総理も、ずっと「党内野党」と言われてきた人だ。ある種、小泉総理と通じるものが、あるのかもしれない。私はそこに、一縷(いちる)の望みを託したい。
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そして、小泉総理が乗り込んだのは9月、今年で言えば、通常国会も参院選も終わっている時期だ。この問題に集中して取り組めるのではないか? 通常国会も選挙も終わったら、ただちにピョンヤンに乗り込んで、キムジョンウン(金正恩)総書記の真正面に立って握手を求め、小泉総理のように、向こうの手をがっちりとつかむ姿を期待したい。何なら、行く前に朝鮮語を勉強していき、
「被害者を返すまで、この手を離さない。」
くらい言ってほしい。
とにかく、政権の「本気度」がほしい。私から、次の3つを求める。
- 特定失踪者問題調査会に全面的な協力を求め、同会作製のビデオ映像を政府の公式ユーチューブチャンネルで流す、そのことを広く告知する。その他、各テレビ局などマスメディアにも協力を求め、拉致問題に建設的な取り組みを促す内容の特別番組を頻繁に流す、など、大々的な全国民への啓発活動を行う。
- 安倍晋三総理の「地球儀俯瞰外交」のように、石破総理が毎月ピョンヤンを訪問する。
- 特定失踪者も「拉致被害者」に認定する。
何か、これらの一つでも、できない理由があるのか?
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人間には知恵がある。「ああ言えばこう言う」、今日の方法でだめならば、また知恵を絞って、明日は違う作戦で臨む。前から攻めてだめなら、背後を突く、右からだめなら左から寄せる、いくらでも手はあるはずだ。私たちの隣人が、元の隣の家に落ち着いてもらうまで、手を緩めず、各員一層、奮励努力せよ。
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