0008. 発音・表記における「ペンシルベニア問題」

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2024年3月6日執筆

 アメリカ合衆国の州の一つであるペンシルベニア州。今、ペンシル「ベ」ニアと書いたが、ある時期までは、ペンシル「バ」ニアと発音・表記されていた。

 変化した理由をいろいろ調べてみたが、私の予測にたがわず、母国語の発音重視であるようだ。

 しかし、英語の発音に忠実になれば、「ペンシルベニア」とも違って、「ペンシルベ『イ』ニア」というのが忠実である。「ヴ」の表記を許せば、「ペンシルヴェ『イ』ニア」が、英語に忠実な発音である。

 グルジアをジョージアと呼び変えたり、キエフをキーウと呼び変えたりする理由と結果は理解できる。しかし、このペンシルベニアの話に関しては、理由と結果に矛盾があるのが、私の心に引っかかっている原因である。



 変えるのならば、なぜ「ペンシルベイニア」に変えない?



 例えば、アメリカの首都ワシントンは、英語では「ワシントン」などとは言わない。「ウォーシントン」である。ラジオ放送の「ラジオ」は、「レイディオウ」と発音する。奴隷解放で有名なアブラハム・リンカーンは、「エイブラハム」である。ネット上の百科事典のウィキペディアも、「ウィキピーディア」である。

 なぜこれらを、「ウォシントン」、「レジオ」、「エブラハム」、「ウィキピディア」と呼ばずに、ペンシルバニアだけ「ペンシルベニア」と変えるのか。

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 テレビのニュース番組で、アナウンサーが「ペンシルベニア」と言うたびに、テレビに向かって、

「ペンシルバニアや!」

と、一人突っ込んでいる。

 この問題でいらいらする心情を言い表せる言葉があった。昔、どこかの漫才師の決め台詞であったが、次の言葉である。

「中途半端やなあ!」


ちゃらんぽらん
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