0033. 日本語:紛らわしい単語

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2025年10月4日掲載、2025年10月11日更新

 「0031」に続く、日本語研究その四。日本語に長く触れていても、日常生活において使い方に迷う紛らわしい単語の組が、日本語には少なからずある。



・意志と意思
・改定と改訂
・回答と解答
・作成と作製
・主旨と趣旨
・制作と製作
・清算と精算
・正当と正統
・待避と退避
・追及と追求と追究
・同士と同志
・保証と保障と補償

ほかにも…

・「形」「型」のつく単語
・「材」「剤」のつく単語
・「制」「製」のつく単語
・「表」「標」のつく単語



 念のため、各々の意味も調べてみた。



・意志
 ①(will)
  (イ)[倫理学]道徳的評価の主体であり、かつ客体であるもの。思慮・選択・決心して実行する能力。知識・感情と対立するものとされ、併せて知・情・意という。「-薄弱」 →自由意志。
  (ロ)[心理学]ある観念を持ち、これに導かれた行動をすること。狭義には、義務感を伴うとき用い、広義には、すべて目的に向けられた行動についていう。
 ②こころざし。考え。

・意思
 考え。思い。「-表示」

・改定
 改め定めること。

・改訂
 改め訂正すること。「-版」

・回答
 返事。答。

・解答
 問題を解いて答を出すこと。また、その答。

・作成
 書類などを作り上げること。

・作製
 物をつくること。製作。

・主旨
 (文章・言説などの)主な意味。中心となる意味。

・趣旨
 物事の中心となる趣き。文章や話の言おうとしていること。趣意。

・制作
 ①定め作ること。考え定めること。
 ②芸術作品を作ること。また、その作品。

・製作
 物を作ること。また、作った物。

・清算
 ①貸し借りの結末をつけること。転じて、過去の関係などにはっきりした結末をつけること。
 ②(liquidation)会社・組合などの法人が解散した場合に、後始末のために財産関係を整理すること。
 ③(取引用語)同一人の同一品目・同一条件の取引に関する取り分と出し分とを相殺すること。

・精算
 金額などを細かに計算すること。精密な計算。⇔概算

・正当
 正しく道理に適(かな)っていること。

・正統
 正しい系統。正当の血統。

・待避
 難を避けて待つこと。

・退避
 退いて危険を避けること。

・追及
 ①後から追いつくこと。
 ②(責任などを)追いつめること。

・追求(ツイクとも)
 ①どこまでも後を追いかけ求めること。
 ②後から思い起こすこと。

・追究
 (学問などを)尋ねきわめること。

・同士
 ①連れ。仲間。
 ②(名詞に付き、接尾語として)相互にその種類・関係にある意を表す語。「いとこ-」

・同志
 ①志を同じくすること。また、その人。
 ②同じ仲間。同士。

・保証
 ①請け合うこと。
 ②狭義では、或る人(保証人)が他人(主たる債務者)の債務を履行すべき義務をその債権者に対して負担すること。広義では、身元保証のように主債務の存在に関係なく、独立的に賠償責任を負担する場合をもいう。

・保障
 ①小城と砦と。
 ②支え防ぐこと。
 ③障害のないように保つこと。

・補償
 ①補い償うこと。
 ②財産上の損失を金額で補うこと。
 ③[心理学]身体や精神について劣等感を持つとき、これを補おうとする心の動き。アードラーの用語。

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 だからどうだということはないが、何らかの研究に役立てば幸いである。

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(C)2017 KONISHI, Shoichiro.