2025年5月15日掲載、2025年10月4日更新
「0011」に続く、日本語研究その二。ニュース記事などから、ある類(たぐい)の言葉の存在に気が付いた。
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・運命と命運
・演出と出演
・応対と対応
・会議と議会
・該当と当該
・合併と併合
・慣習と習慣
・議決と決議
・継承と承継
・形成と成形
・作製と製作
・作動と動作
・先祖と祖先
・脱離と離脱
・平和と和平
・便利と利便
・理論と論理
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これらは、互いに倒置の関係になっている。少し調べたが、こういう単語を総称する言葉はなかった。念のため、各々の意味も調べてみた。
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・運命
人間の意志にかかわりなく、身の上にめぐり来る善悪・吉凶。人生諸般の出来事が必然の超人間的偉力によって支配されているという信仰または思想に基づく。めぐりあわせ。宿命。命運。
・命運
めぐりあわせ。運命。
・演出
脚本またはシナリオを基として、演劇または映画を組成する各要素(俳優の演技・舞台装置・セット・照明・音楽・音響効果など)を総合して舞台上に上演し、または映画製作を指導すること。
・出演
映画や舞台などに出て演技をすること。
・応対
相手になって受け答えすること。
・対応
①互いに向き合うこと。相対すること。
②相等しいこと。つりあうこと。
③相手に応じて事をすること。
・会議
①会合して評議すること。
②或る事項を評議する機関。日本学術会議の類。
・議会
①公選された議員によって組織され、国民の意思を代表・決定する合議制の機関。立法府。国会・都道府県議会・市町村議会など。
②国会の特称。
・該当
あてはまること。
・当該
①そのこと。そのもの。
②そのことに当たること。そのかかり。その受け持ち。「-官庁」
・合併
二つ以上のものを合わせて一つにすること。併合。
・併合
いくつかのものを合わせて一つにすること。合併。
・慣習
或る社会の内部で歴史的に発達し、その社会の成員に広く承認されている伝統的な行動様式。ならわし。風習。
・習慣
①しきたり。ならわし。風習。慣習。
②[心理学]
(イ)後天的に身に着けた行動方法で、比較的固定して、少ない努力で反復できるもの。
(ロ)狭義には、特に知識に関係したものを記憶と呼んで、運動に関係したものだけを習慣という。
(ハ)寒さに対する習慣、都会生活の習慣、薬品に対する習慣というように、外部の影響によって変化を生じ、これに対する感受性を失うこと。
・議決
合議して決定すること。
・決議
会議で、ある事項を決定すること。また、その決定した事項。議決。
・継承
うけつぐこと。承継。
・承継
①うけつぐこと。継承。
②〔法〕権利または義務をそのまま引き継ぐこと。
・形成
形を成すこと。形作ること。
・成形[成型]
①形を作ること。
②素材に一定の形付けをする工程。轆轤(ろくろ)または型を用いて陶磁器の素地を作ること。プラスチック工業などでもいう。
③耕地に作条を設け、畦(あぜ)を作って播種・栽植の準備をする作業。
・作製
物を作ること。製作。
・製作
物を作ること。また、作った物。
・作動
機械の運動部分の動き。
・動作
事を行う際の身体の動き。たちいふるまい。挙動。
・先祖
①家系の初代。血統の初代。とおつおや。
②家系の初代以後、一家の現存者以前の人々で、家廟に祀られてある人。祖先。
・祖先
その家の先代以前の人。先祖。
・脱離
抜け離れること。
・離脱
離れること。抜けること。
・平和
①平らかにやわらぐこと。おだやかでかわりのないこと。
②戦争がなくて世が安穏であること。
・和平
やわらぎおだやかなこと。和睦して平和なこと。平和。
・便利
①都合のよいこと。便りのよいこと。
②転じて、便り。都合。
③大小便の通じ。
・利便
便利。便宜。
・理論
①(theory)
(イ)個々の事実や認識を統一的に説明することのできる或る程度の高い普遍性をもつ体系的知識。
(ロ)実践を無視した純粋な知識。この場合、一方では高尚な知識の意を含むが、他方では無益なものという意味が含まれることもある。
(ハ)或る問題についての特定の学者の見解・学説。
②論争。
・論理
(logic)
①思考の形式・法則。また、思考の法則的なつながり。
②実際に行われている推理の仕方。論証のすじみち。
③比喩的に、事物間の法則的なつながり。「歴史的発展の-」
④論理学に同じ。
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だからどうだということはないが、何らかの研究に役立てば幸いである。
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