0011. 日本語:擬態語の動詞化

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2024年5月3日執筆

 日常会話などから、ある類(たぐい)の言葉の存在に気が付いた。



「休日にだらける。」

「焦点がぼやける。」

「権力をちらつかせる。」

「分布のばらつき。」

「待ち合わせに遅刻されてむかついた。」

「この程度でふらつくな。」

「どうぞ好きにざわついてください。」

「会場がどよめいた。」



これらの動詞部分に注目すると、
・「…ける」
・「…たつ」
・「…つく」
・「…めく」
という構造をしていることに気が付いた。

そして、前半の「…」の部分は、
・「だらだら」
・「ぼやぼや」
・「ちらちら」


などの、擬態語となっているのである。

こういう、「擬態語が動詞になった単語」を、思いつく限り集めてみた。

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●「…ける」
だらける ← だらだら
とろける ← とろとろ
にやける ← にやにや
ふやける ← ふやふや
ぼやける ← ぼやぼや
よろける ← よろよろ


●「…たつ」
いらだつ ← いらいら


●「…つく」
いちゃつく ← いちゃいちゃ
いらつく ← いらいら
うろつく ← うろうろ
ぎらつく ← ぎらぎら
ぐずつく ← ぐずぐず
ぐらつく ← ぐらぐら
ざらつく ← ざらざら
ざわつく ← ざわざわ
ちらつく ← ちらちら
にやつく ← にやにや
ばたつく ← ばたばた
ばらつく ← ばらばら
びくつく ← びくびく
ふらつく ← ふらふら
ぶらつく ← ぶらぶら
べたつく ← べたべた
べとつく ← べとべと
むかつく ← むかむか
もたつく ← もたもた


●「…めく」
きらめく ← きらきら
ざわめく ← ざわざわ
そよめく ← そよそよ
どよめく ← どよどよ
ゆらめく ← ゆらゆら

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まだまだあるかもしれない。

擬態語・擬音語は、日本語に特有の表現だと聞いたことがある。だからどうだということはないが、何らかの研究に役立てば幸いである。

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