春の長州紀行 萩&山口史跡めぐり

 

東光寺の桜

2002年3月17〜19日 吉田沙羅

 

今回の旅の同行者は、my mother。昨年から母と「温泉に行きたいね」と話していたので、気候のよさそうなこの時期に思い切って湯田温泉に行く事にしました。それで、折角山口県に行くなら……と、萩にも立ち寄る事になったわけです(←陰謀?…苦笑)
写真はこのページ以外に
史跡探訪のページで沢山紹介していますので、合わせてご覧下さい。

 

 3月17日(日) 概ね快晴、but strong wind (笑)

小郡駅から防長バスを利用して、萩に着いたのは午前11時30分頃。宿泊予定の東萩駅となりのホテルに荷物を預け、昼食を駅前の店で済ませて、まずは『聖地めぐり』から。私の言う『聖地』とは、松下村塾、吉田稔麿誕生地、団子岩の墓所の3ヵ所です。秋に冴月さんと来た時も、萩探訪は聖地からスタートしました。やっぱり、萩を訪れたら最初に稔麿と松陰先生にご挨拶しなくては……。
東萩駅から松下村塾のある松陰神社までは、徒歩15分ほど。車、自転車を使うのもいいけれど、普段マイカー生活の私としては、時間がある限りのんびり歩きたかったので、松本川沿いを歩いて行く事にしました。風は強いけど天気が好いせいか、散歩にはもってこいの昼下がり。松陰神社に団体観光客の数は少なく、ゆっくり見れてよかったです。いつも思うのですが、ここでは時間がゆったりと流れているような気がしますね。村塾の縁側で、煙管を吹かしていた当時17歳の栄太(稔麿)が、『今日から煙草を止める!』と宣言した話を思い、春の陽気も手伝ってか、何だか微笑ましくなりました。
神社内を一通り廻った後、秋にも入った吉田松陰歴史館へ。面白かったから、というのも理由の一つですが、何より "老け過ぎ" の栄太と入江の人形の証拠写真(!)を撮ろうと思ったからです。遺墨展示館のほうは、秋とさほど内容が変わっていないようだったので、今回は入りませんでした。
松陰神社を出ると、2〜3分で吉田稔麿誕生地に着きます。秋にもレポしましたように、現在は碑と史跡紹介の看板があるだけなのですが、彼の家がどれほど村塾に近かったのか、本当によく解ります。また、幼馴染みの伊藤(博文、俊輔、利助)の家もとても近くて、少年時代、二人が一緒に遊んでいた姿が目に浮かぶようでした。
そして、伊藤博文旧宅と別邸へ。別邸では、萩の古いお雛様を展示していました。(←これは萩市内の史跡の幾つかで開催されているもので、山口県在住の2323さまから情報をいただきました。有り難うございます!) この別邸は東京にあったものを移築したそうで、木造の広間にシャンデリアが飾られていたり、明治時代を身近に感じさせてくれました。
そこからしばらく道なりに歩くと、10分弱で玉木文之進旧宅前に出ます。こちらは、いわば松下村塾発祥の地。松陰先生の叔父にあたる文之進がここで学問を教えたのが始まりと言われています。旧宅の前の道を右に曲がると、坂道に出ます。ここを真直ぐに登って行くと、松陰誕生地(通称:団子岩)。観光ガイドや本によく載っている、松陰と金子重輔の銅像が迎えてくれます。すぐ左手に、松陰とその一族、門下の三秀(高杉晋作、久坂玄瑞、吉田稔麿)と久坂の家族のお墓があります。こちらは墓参の人が絶える事なく、いつもお花が供えられているようです。彼らが成し遂げたこと、成し遂げようとしたことの大きさと共に、『不朽の人になれ』という松陰の訓えが成就したのだという事を改めて感じました。
咲きかけの桜を見ながら、東光寺を訪れると、こちらも枝垂桜や変わった形のコブシの花が満開でした。そういえば団子岩に向かう道すがら、可愛い白い花が咲いていたのですが、それは野苺の花だと母が教えてくれました。白いタンポポも沢山咲いていて、春だなぁ、と嬉しくなりましたね。

この日の宿は、萩ロイヤルホテル。東萩駅前という便利なロケーションのホテルです。泊まった部屋は8階で、窓からは松本川と指月山、そして日本海を眺めることが出来ました。部屋はかなり広くて快適な上、お値段もリーズナブルなので、おすすめです。そうそう、夕食前にホテル階下のPUB村塾で萩ビールを飲みました。私のおすすめは、ペールエールとブラウンエール。こちらでは夏みかんマーマレードやスライスも売っているので、お土産に購入しました。

松本川と指月山、日本海
松本川と指月山、日本海(ホテルの部屋より)

 3月18日(月) 朝のうち雨、のち曇り、のち晴れ。 but very windy !!!

早めにホテルをチェックアウト、荷物はコインロッカーに預けて市内観光。野山獄跡から、初めて「萩循環 まぁーるバス」に乗りました。西回りの『晋作くん』です。赤い小型の可愛いバスで、車内では萩観光のビデオを流してくれています。停留所の案内も見どころ付きで知らせてくれるし、雨がよく降る土地柄からか、傘立てもありました。観光地だけでなく、住宅地や学校、市の施設等も廻っているので、観光客のみならず市民の足としても便利なバスです。しかも、何処まで乗っても100円!(←美味し過ぎる…)
萩城跡で『晋作くん』を降りて、萩焼資料館に行きました。秋に出会った、松陰先生自筆の栄太東行の送辞をもう一度見たかったのです。勿論、古萩の逸品も沢山見れますしね。そのあと、歩けば史跡に当たる(笑)とばかりに城下町方面へ。高杉晋作旧宅、木戸孝允旧宅を訪れました。晋作くん家には、梅が咲くころに来てみたかったなぁ。桂(木戸)さんの生家は、やっぱり手入れされた庭が美しいです。そして、8歳の頃に書いた習字(幼名の和田小五郎の署名で、『今日』と書かれている)には、毎回驚かされます。とても8歳の子供の作とは思えない……。
昼食は、菊屋家住宅近くのお店『わらじ』で。炊き込み御飯が美味しいお店だと聞いていたので、山菜御飯の定食をオーダー。味噌汁、白身魚のフライ、野菜サラダ、漬物が付いたセットで1600円。御飯は2〜3杯分はありましたね。お店の方がとても親切で、御飯が炊き上がるのを待っている間に味噌汁のお代わりを入れてくれたり、御飯が残った分をおにぎり(おむすび)にしてくれたり…と、色々お心遣いいただきました。また、母のある一言(『血圧の高い人はグレープフルーツを食べては駄目、でも他の柑橘類は大丈夫』)から、ハッサクまでいただいてしまいました。食事もとても美味しかったので、暖かいサービスに期待するなら絶対おすすめ!のお店です。
食後は、やはり省略するわけにはゆかない(?)久坂玄瑞誕生地に行きました。稔麿と晋作に挨拶したのに、久坂に何も無しではねぇ(苦笑) 入江さんのところにも行きたかったのですが、今回は時間の関係で行けませんでした。『晋作くん』のバス停、その名も「久坂玄瑞誕生地前」から再びバスに乗り、ちょっとした市内観光。今回の萩探訪はここまでです。

午後3時前の小郡行きJRバスで湯田温泉へ。国道262号は山越えコースなので、何だかわくわくしちゃいます(←まるで子供/苦笑)。バスの中で、たまたま乗り合わせた女性から正真正銘、萩の夏みかんをいただきました。
1時間ほどで湯田温泉に到着。今日の宿は、かの有名な松田屋ホテルです。創業300余年、幕末には長州の志士達をはじめ坂本龍馬、西郷隆盛、大久保利通等が滞在・密会した『維新の宿』として知られる老舗旅館で、山口に行くなら絶対泊まりたい!と思っていました。ホテル内に史跡や資料室もあるので、本当は1週間くらい滞在してみたいのですが、予算がねぇ……(苦笑)。でも、見れるだけ見て、利用出来るものは利用させていただきました!
到着後、少し時間があったので、高田公園と周布政之助の碑を見に行きました。周布先生の碑の場所が判らなくて、近くのドラッグストアのお兄さんに訊いてみると、住宅地図を広げて、丁寧に行き方を教えてくれました。高田公園には、文久3年の8月18日の政変で都落ちした七卿の碑、井上馨銅像、所郁太郎の碑、七卿が滞在した何遠亭跡のほか、種田山頭火の句碑、中原中也の詩碑もあります。
近場廻りのあと、ホテルに戻って夕食前に温泉へ。松田屋さんには露天風呂をはじめ幾つかお風呂がありますが、幕末長州好きとしては、やっぱ『維新の湯』しかないっしょ! というわけで目指すは『維新の湯』。ホテルの方によると、どのお風呂も予約制ではなく、「空いていればいつでも入れます」との事。しかし、やはり人気の湯は先客が……。それで資料室を覗いたりして気長に待つことにしました。『維新の湯』は家族や小人数(4〜5人くらい)のグループで利用できるようになっています。大理石の浴槽は万延元年(1860)建造、天井と壁の一部(木造部分)も当時のままだそうです。倒幕、維新の偉業を成し遂げようと松田屋に集った志士達も、ここの湯に浸かったんだなぁ……と感慨に耽り、つい長風呂してしまいましたよ。部屋に戻ったら、食事の用意が既に整ってました(←おいおい)。
仲居さんに明日の山口観光のルートを相談しつつ、季節の長州料理を賞味。ふぐ関係(鍋、刺身、から揚げ)、たっぷりの野菜や肉料理、蜆の赤出汁、瓦蕎麦。どれもこれも美味でした!

 3月19日(火) 晴れ、でもやっぱり強風(笑)

翌朝、豪華な朝食(しそわかめも出ました〜。嬉しい!)の後、仲居さんに庭を案内していただきました。七卿の碑や有名な松、木戸・西郷・大久保が密会した東屋、桂小五郎(木戸)が書き物をするのに使ったという東屋。今は周遊できるようになっていますが、この庭園が設計された頃は枯山水の庭だったそうです。そうそう、高杉晋作の『憂国の楓』は、ホテルの玄関隣(売店の右)にあります。
山口観光の間、荷物を預ってくれるというので、お言葉に甘えて大きな荷物は松田屋さんに預ってもらいました。こちらが何かを頼む前に気を利かせてくれる、至れり尽くせりのサービスはやはり老舗旅館ならではですね。夕食時に幕末史が好きだとか話したら、逗留した志士達のサイン(!)を印刷した和風タオルと、司馬遼太郎が滞在した時に書いたものを印刷した和風タオルを持ってきてくれました。今回は色々いただき物が多かったです。親切にして下さった皆様、本当に有り難うございました。

時間が限られているので、タクシーで瑠璃光寺へ。五重の塔が美しい! 夜間のライトアップもきっと綺麗でしょうね。香山公園を散歩して、洞春寺を経て、山口博物館と歴史民俗資料館で歴史関係の展示を見ました。幕末以外では、ザビエル記念聖堂の方にも行きました。それから旧藩庁門を見学して、再びタクシーで湯田温泉に戻り、おおすみ歴史美術館へ。こちらは解説資料のコピーが置いてありました。木戸孝允の漢詩(七言絶句)は、読み方と訳付きで、漢文苦手な私にはとても助かりました。最後に中原中也記念館を見て、松田屋さんで荷物を受け取り、バスで小郡駅へ。今回の旅はこれで終わりです。最後に、松田屋ホテルで感激したことをもう一つ。チェックアウトの時、領収書を入れてあった和紙の袋の表に「面白き こともなき世を 面白く」と書かれているんですよ。細部までこだわりがあって、よいなぁ、と思いました。少々値が張るけど、次回山口に行く時はまた松田屋ホテルに泊まりたいです。

松田屋ホテルの庭園に住む鴨ちゃん
松田屋ホテルの庭園にお住いの鴨ちゃん

 

最後まで読んでくださって有り難うございました。次なる長州紀行は、下関を予定しております!

 

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