BOOK REVIEW

管理人が特におすすめしたい本を、表紙の写真付きで紹介するページです。定価は発売当時のもの。

歴史物語 燃える白虎隊

片平幸三 歴史春秋社 P244 昭和51年初版 950円
若い世代向けに、飯沼貞吉を主人公として物語風に書かれた本。史実を元に、創作が上手く織り交ぜられていて、貞吉と細谷十太夫(鴉組)の交流なんかもあったりするのが私には嬉しすぎ(*^^*)。
10代の頃、お土産に頂いたもの(昭和60年の重版)で、私にとって初めての白虎隊関連本だったので、思い入れも深いです。
現在、新装版が出ていて、1050円です。←歴春うぇぶで購入できます。
二本松少年隊

紺野庫治 福島中央テレビ P206 昭和51年初版 680円
ふくしま文庫の第21巻。戊辰戦争と二本松藩との係わりから、木村銃太郎率いる少年隊の奮戦ぶりを、少年達の逸話を交えながら解説した本。銃太郎の略伝、少年隊の名簿、日々の生活、環境と歴史についても説明されているので、入門者にも大変親切な本です。
現在絶版?かもしれませんが、古書店で入手可能。
池田屋事変始末記 新選組と吉田稔麿

冨成 博 新人物往来社 P222 昭和50年初版 1300円
当サイトの「吉田稔麿FILE」にて復刊リクエスト特集を組ませて頂いた本です。読後に著者の冨成氏に感想を書き送ったところ、丁寧なお返事を頂き、恐縮したものでした。
タイトルこそ「池田屋事変」「新選組」の名が付いていますが、実際には正真正銘、吉田稔麿の伝記です。稔麿の生涯をここまで詳しく(しかも現代口語で!)書いた本は、他に類を見ません。近年、古書店でもお目にかかれないのが残念ですが、オークション等に出ている事もあるので、興味のある方はチェックしてみて下さい。
幕末維新解体新書

歴史ファンワールド編集部 光栄 P158 1998年初版 1300円+税
イラスト・図版が数多く使用されているので、これから幕末維新史を知ろうとする入門者にも便利な本です。第1章「幕末から維新へ」では事件や出来事、戦い等を37のトピックにして解説、第2章「幕末人物事典」では倒幕・佐幕問わずイラスト付きで押さえておきたい人物を紹介、第3章「幕末イエローページ」では幕末用語集、書籍&DVD案内、全国の博物館リストが載っています。
長州奇兵隊 勝者のなかの敗者たち

一坂太郎 中公新書 P255 2002年初版 780円+税
タイトルの通り、戊辰戦争に勝利し、明治新政府の中核を成した長州藩の陰の部分にスポットを当てた本です。栄光のみが伝えられがちな長州藩の幕末維新史にも、変革の犠牲となった歴史が存在します。地元で語り継がれてきた知られざる話は興味深いものばかりで、長州藩士と会津の少年達との交流、「思案橋事件」と「萩の乱」の繋がりについての考察もあります。
五稜郭を落した男 

秋山香乃 文芸社 P456 2004年初版 1800円+税
山田顕義(市之允)を主人公にした小説です。小柄で童顔、師である吉田松陰の死を知った時には号泣したという市之允が、久坂玄瑞や高杉晋作と共に戦う中で逞しく成長してゆく様が上手く描かれています。市のみならず、久坂や高杉のファンの方にもお勧め。
平太の戊辰戦争 少年兵が見た会津藩の落日 

星 亮一 角川書店 P266 1998年初版 1400円+税
戊辰戦争時、父と共に萱野右兵衛隊に参加、従卒として戦地に赴いた少年兵、遠藤平太(16歳)の日記を元に書かれたノンフィクション。会津藩の少年兵は白虎隊ばかりではなく、彼のように各地の戦場を渡り歩いた少年も数多くいました。既に籠城戦となり、敵の銃弾を避けて人々が逃げ惑う中、瀕死の父を裸足で背負い、会津城下を逃れ、ようやく辿り着いた母の実家で父の最期を看取る場面は泣けます…。「もうひとつの戊辰戦争」として、多くの人に知って欲しい実話です。
武士道の教科書 現代語新訳 日新館童子訓

松平容頌著 中村彰彦訳・解説 PHP研究所 P245 2006年初版 1400円+税
会津藩第五代藩主・松平容頌が自ら執筆編纂した逸話集で、現代語訳・解説者の中村彰彦氏の言葉を借りると、タイトルは「藩校日新館で学ぶ学童たちのための教訓集」という意味。原本は会津図書館等にありますが、木版刷りの漢字と変体かな混じりで書かれている為、読み難く思われた方が多いのではないでしょうか。これまでにも解説書が出版された事はありましたが、本書は全文を現代語訳で読めます。白虎隊、日新館での教育に興味のある方は勿論、会津藩に限らず武士の子弟が身につけた教養を知りたい方は是非ご一読を。
その名は町野主水 

中村彰彦著 角川文庫 P338 1997年初版 571円+税
中村先生の本が続いてしまいますが、こちらは小説で、幕末の会津藩士、町野源之助(主水)が主人公。頑固で律義、典型的な会津武士であり続けた男の生涯を描いた大作です。源之助の人間臭さがこの小説最大の魅力なのですが、末の弟・久吉の描かれ方が、これまた素敵なのです。「なんときらきらしいおひとか」―久吉と初めて対面した人々が口にしたこの一言で、読者は久吉に惹かれること間違いありません!(笑) 現在絶版になっているようですが、アマゾンや古書店で購入可能。
建尚隊覚 ― 一少年兵の戊辰の役 ― 

廣津みどり著 中国新聞企画開発(株)出版部 P126 2001年初版 1300円
岩国藩の建尚隊に所属、戊辰戦争を戦った17歳の少年の軍中日記。原文(写真)、書き下し文、現代語訳があり、とても読みやすいです。斥候が主な役目だったようで、彼が一人の敵も殺めなかった事を子孫である著者も喜んでおられます。武家に生まれたというだけで戦に駆り出された少年の心情はあまり語られていませんが、淡々とした文章の中に時折少年らしさが垣間見られ、微笑ましくなります。自費出版に近い本ですが、マツノ書店様のサイトにて購入可能。
会津戊辰戦争 戸ノ口原の戦い
日向内記と白虎隊の真相 NEW !

冨田国衛著 おもはん社 P382 2008年初版 2940円
白虎士中二番隊の隊長だった日向内記が戸ノ口原で戦場を離れた真相を多くの史資料をもとに検証究明し、これまで「食糧調達を理由に部下を残して戦場を離脱した」と非難され続けてきた日向の雪冤を果たそうとする著者の思いが込められた書。戦況や白虎隊の自刃者・戦死者に関する考察もあり、大変興味深い一冊。


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